海上自衛隊艦隊勤務においてほとんどの部隊指揮官(艦長)が修得する不思議な能力、
私はこの能力を「海上部隊指揮官(艦長)の絶対感性」と呼んでいました。
絶対感性とは、私の永い海上勤務を通じて不思議な感覚(能力)に目覚めた時に名づけた言葉です。
どのような感性か?
それは護衛艦の中堅幹部や副長の時には決して実感できなかった感覚、能力であり、
護衛艦の艦橋(ブリッジ)から周囲を眺めるとあたかも鳥になったかのように
周囲の部隊の動きが鳥瞰図のように見える。
周囲の空気(雰囲気)や船の動揺、人の動きから異変を感じ、事故を未然に防止できる。
部下の顔色や一挙手一投足を見て部下の心身の状態を把握できる。
つまり複数艦の部隊行動において自分の艦も第三者的に客観的に見える部隊を俯瞰できる能力と
第6感により胸騒ぎがするような感性が鋭くなる能力です。
そして任務を達成するために任務完遂後の満足した情景を鮮明にイメージでき、
気象・海象や人的物的資源を味方につけ、
目標の達成に向けてあらゆる資源を有効活用できる不思議な能力です。
この能力を発揮できる感覚は、
艦長や護衛隊司令等の指揮官配置を経験して初めて実感できたものです。
部隊指揮官(艦長)は、莫大な国有財産と部下の命を直接預かる究極の指揮官配置であり、
逃げ隠れもできない、
失敗した場合は自分の命では償えない国家や部下家族に対する絶対的な責任と使命、
これらの重圧によって最終的に得られるものではないかと思っています。
自衛隊退職後、民間企業の役員として約7年勤務していますが、
成功しておられる経営者は経営ビジネスに関する絶対感性を持っておられます。