指揮官、経営者に必要な重要な力は、決断力と実行力です。
決断と実行には必ずリスクを伴います。
指揮官、経営者はそのリスクを甘受して決断し実行して成果を挙げなければなりません。
そのためには自分の決断を信頼し、部下を信頼することが必須です。
そして結果に対して全責任を負わなければなりません。
常に状況が変化する過酷な環境下の海上作戦において、
指揮官の能力が不足してとんでもない決断をした場合の被害は
取り返しのつかないものになることは明白です。
このために、混乱する修羅場の戦闘状況下においても、
論理的に概ね正しい判断と決断が適時にできる能力が必要となります。
海自においてはこの能力の習得及び実践のために
「作戦要務」というロジカルシンキングの手法を確立しています。
敵の可能行動の見積もり、
彼我の戦闘力を分析し、
取り得る行動方針を列挙し、
@適合性(目的達成に適合しているか?)、
A可能性(人的、物的資源を利用して物理的に実施可能か?)、
B受容性(失敗した場合の損害は許容できる範囲か?)
の3要素で評価し、
我の「最適行動方針」を決定する手法をお話しします。