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今何故、郷中教育、什教育が必要か!

幕末から日露戦争にかけ、厳しい世界情勢の中で、日本の独立と生存、 工業化にぶれない矜持を発揮した多くの人材が日本各地、特に薩摩、会津、長州、土佐藩等から多く誕生しています。 この時代の偉人に共通する要素は幼少時代の教育であると信じています。 特に薩摩の郷中教育と会津の什(辺)教育は藩校に入校する前の子供たちの自己啓発、集団啓発の教育システムであり、 現在の社会環境を考えると今こそ復活させるべき教育システムではないでしょうか!

 

昭和46年から49年の第2次ベビーブームの時の出生率は1.96、この頃生まれた子供たちは今は40代の働き盛り、 そして彼らには兄弟、姉妹がいるのが普通であり家庭や学校で自然と団体生活を行い、嫉妬や羨望、喜怒哀楽、競争、 助け合い等の感情や行動により団体生活に必要な資質を身に着けていました。

 

しかしながら、その後出生率は下降を続け今では1.4を上下し、10家族のうちの6家族、簡単に言えば学校のクラスの 半数以上が一人っ子の家庭で育ったこととなる。また、一人っ子と関係するかは不明であるが結婚を望まない独身者の 増加が社会問題にもなっている。 また6人に1人が貧困児童、新卒者の離職率に至っては3年以内に3人に1人という危機的状況でもある。

 

一人っ子は家庭や地域を通じて、幼児期に習得すべき団体生活に必要な資質が十分に育たない傾向があります。 自分の部屋があり、オーディオやテレビがあり、携帯電話やスマートフォーンが普通にあり、友達とはSNSのLINE等で結ばれている。 そのLINEにすぐ返事しなければ仲間外れにされたり、いじめられる。 だからスマホをひと時も手放せない。すなわち、望めば与えられるから我慢することを知らない。 自分中心で他人に優しくすることのできない子たちが成長し、社会人になっているのが今の状況となっている。

 

小学生がクラスの同級生を学校で殺害する、子どもが親や祖父母を殺害する、親が子供を殺害する。 何とも信じられないことが起こる現代、子どもは家で一人で遊ぶ、コンピューターゲームに一人で耽り、 バーチャルな世界に一人で浸る。

そこでは社会性も協調性も必要ない、自分だけのバーチャルな世界であり、子供を取り巻く社会環境は確実に変化しています。

 

子供は自然の中で、グループで遊びを作り、その遊びで遊び、そして更に面白い遊びに進化させる。

この遊びの中で集団のルールや人間関係、人の痛みを理解し健全な人間性を育み、 遊びを進化させるなかで論理的な創造性の資質を涵養できるものではないでしょうか!

 

躾についても、昔は親や地域が子供を躾たが、最近の親や地域はどうなっているのかという事例は後を絶ちません。 しかし、昔の親が躾に熱心だったかと言うと、必ずしもそうではなかっただろうと思います。 昔の家は子沢山で、大家族を養うために寸暇を惜しんで働かねばならず、 よって兄姉が弟妹を育て、地域が行儀作法を教育する素晴らしい教育システムが日本には存在していたのではないでしょうか!

この日本の教育システムの中で薩摩の郷中教育と会津の什教育は、同様の形態をとっており、特筆に値するものです。 薩摩の郷中教育は現在のボーイスカウトの原型となったとも言われています。 薩摩藩内には「郷中」と言う数十戸で構成された自治組織があって、 この組織内における異年齢の子供同士の間でのシステムでありました。

具体的には、6歳から10歳までを小稚児(こちご)と呼び、11歳から15歳の長稚児(おせちご)が生活全般を教え、 更にこの長稚児を指導するのは、15歳以上の二才(にせ)と呼ばれる青年たちでした。

 

早朝に一人で自分が教えを乞いたい年長者の家に行って、儒学や書道などの教えを受ける。 ・・・そして子供だけで集まり、車座になって朝学んだことを一人づつ発表する。 ・・決まった場所はなく、子どもが輪番で地区の家にお願いして集合場所を決めていたそうです。

教えを乞いに行った年長者の考え、レベルは当然バラバラであり、指導要綱がある訳でもなく、 考えが統一されているわけでもなかった。 発表する本人は教わったことを自分の考えとして発表する。 そして皆で考えを共有する。

ここで重要なことは子供同士でチェックし合うデベート重視の学習であったことです。

 

この対話重視の教育の中で特に重視されたのが「詮議(せんぎ)」という方法でした。

今でいう「ケーススタディ」であり、起こり得るけど簡単には答えが出ないような状況をいろいろ“想定”し、 その解決策を皆で考え合う訓練です。

 

例えば「殿様の用事で急いでいるが、早駕籠(はやかご)でも間に合わない。どうするか」とか、 「殿様の命を受けて合戦中の味方の助太刀に出陣中、自分の砦が敵に襲撃された。 引き返して自分の砦を守るか?それとも自分の砦は見捨てて殿様の命に従うか?」とか、 「道で侮辱された。どうするか」といった起こり得るリアルな設問を次々と挙げ、 各自が自分だったらどうするかを述べ、皆で議論する。いわゆる「ケーススタディ」であり、 想定外などと言う逃げは許されない責任を意識するための際限のない「イメージ訓練」でありました。

 

「詮議教育」は、戦国時代くらいまでは日本中で行なわれていたようです。 江戸時代になるまでは、公家や荘官や守護大名のようなごく一部のエリート以外は字を読めなかったので、 一般的に武士は、戦(いくさ)の成功・失敗事例を文字でなく耳で学び、 皆で議論し、実践的スキルを向上させる学習会を行なっていたと言われています。

 

また「義とは何か」といったテーマで議論を繰り返し、そうした日常生活の規範を、 それぞれが内面化していく道徳教育も行われていました。

 

道徳教育に関しては「日新公(じっしんこう)いろは歌」(日新公は島津の殿様)があり、 大人になるまでに毎日毎日欠かさず唱え、自分の道徳観念として定着させたそうです。

ちなみに最初の「い」は「いにしえの道を聞きても唱えても わが行ないにせずばかいなし」であり、 「どんな昔の教えを聞いても自分で実践しなければなんの意味もない」という意味であり、まさに実践的な教えです。

日新公いろは歌は、現代でも活用できる素晴らしいものですのでここに紹介します。→ ここをクリック

薩摩の郷中教育は君主に忠義、親に孝行、下の者に慈悲いう理念のもとで、 基本的には年長者すなわち上位の者に責任を持たせるのが目的の教育であったと言えます。

 

また、現代の子供たちに欠けているのは山坂達者です。

山坂達者とは、年長のニ才たちが稚児を引き連れて、山野を駆け巡り鍛錬するもので、 厳しい山坂でも弱音を吐かないチャレンジ精神旺盛な逞しい子供を創り上げる遊びの訓練でありました。 この 遊びの中では、小鳥の捕獲の方法や野ウサギやイノシシ等の獣を獲るための罠の作り方や 薬草・毒草の見分け方などを年長者が実地に教えます。

 

また、鹿児島には子供達の遊びの中に今でも引き継がれているスローガンがあります。 それは”泣コカイ、飛ボカイ、泣ッヨカヒッ飛べ”であり、畑の段差や小川を移動するための掟でもあり、 泣いて許しを請い飛ばないか、泣くよりは失敗してもいいから飛んでしまえ、という教えであり この”ヒッ飛べ”の精神も、教室でのいじめを黙認する現在の子供達に必要ではないでしょうか!

 

このように、薩摩の郷中教育、会津の什教育は判断力、決断力、実行力を伴う「知恵」を 身につけられた教育手法であり、正解、手順をテキストで身に着けさせるのではなく、

@あらゆる事態を仮想し、

Aそれに対処する行動方針やアイデアを考えだし、

Bその中から正しいものを選択し、

C果敢に実行する度胸や覚悟を持たせる。

という素晴らしい教育システムであった。クライシスに対して想定外という言葉で逃げるのではなく、 クライシスに際して最適行動方針を瞬時に導き出し、果敢に対処できる人材が求められている今こそ必要な 教育手法ではないだろうか!なお、郷中教育の規約、掟は各地に残っており、それぞれ内容は異なるが、 全体を包括すると次のような項目です。

@ 忠孝を重んじ、文武を励め。

A 礼儀をたしなみ、親睦、団結を心がけよ。

B 山坂達者であれ。

C 何事も詮議をつくせ、決まったら議をいうな、言い訳するな。

D 嘘をつくな、弱音を吐くな、卑劣なことをするな。

E 弱いものいじめをするな。

F 目上を重んじよ、親に口答えをするな。

G 女と交わるな。

H 金銭を持つな、1人で買い物をするな。

I 酒、煙草をのむな。

J 歌舞、音曲、芝居を見るな。

K 足袋、頭巾、襟巻きをするな、木綿を着れ。

L 無刀で外出するな、脇差し1本で辻角を廻るな。

M どんな場合でも刀は抜くな、抜いたらただでは鞘におさめるな。

N 槍を持たせた役人には、礼をしろ。

O 他家の果樹、壁、屋根に手をかけるな。

 

要約すると

@  忠孝、文武

A  礼儀、親睦、団結

B  山坂達者

C  詮議、議を言うな

D  嘘をつくな

E  弱いものいじめをするな

F  目上、親に従え

等であり、

特に現代の子供たちに欠けているのはBの山坂達者です。

 

 

 

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